合同会社の特徴についてご説明します
従来の会社組織スタイルでは、出資した資金を元に事業を展開し、利益が出たら出資額に応じた配当をする、という仕組みで成り立っていました。
最近では、コンサルティングやインターネット関連事業などのような情報産業などの無形資産型産業や、ソフトの部分である人的資産有用型の業種が増えてきました。そのような時代のニーズに応えるため合同会社のような新しい人的法人制度の登場が期待されていたのです。
合同会社という新しい組織形態が日本において誕生したことは、「ヒト」を中心とする事業展開がしやすくなったことを意味します。合同会社の経営資源となるのはあくまでも巨額な資本力でも投資でもなく、個人のノウハウ、アイデアや技術というヒトの能力であるということが、合同会社の大きな特徴となっているのです。
合同会社の原則に「出資者=経営者」があります。
出資者と経営者が合同会社では分離することはありません。このような方式を「持分会社」とよぶのですが、これは合同会社の「定款」に記載することで、出資額にかかわらず発言権や利益配分の割合を自由に制定できるという合同会社として独自のルールを持っています。
株式会社では、出資者と経営者はそれぞれ制度上独立しているため、会社経営をする代表者であっても、会社の出資株を一円分も所持していないことがあります。合同会社はその点が明確になっていて、統一されているのです。
アメリカ版の合同会社(LLC)では、法人課税にするかLLCを構成する構成員課税にするかは、どちらかを選択できるのに対し、日本の合同会社では、法人として課税対象となる、ということです。
構成員課税というのは、合同会社であるLLC組織には課税されずに、合同会社の組織に所属する個人に対して課税されるというしくみのことです。
これに対して法人課税とは、組織に課税されると同時に、そこから利益分として個人が受けた所得に対してもさらに課税されるという二重課税されるしくみのことです。
法人であっても個人であっても、利益に応じた税金を納める義務があるわけですが、税率が利益に対してどのように課税されたり、控除されるかは収益や諸条件によって異なるため、税金の計算はとても複雑です。
さまざまな条件によって税額は変わりますが、税金面だけを考えた場合、一般的には課税所得が1000万円を超えるあたりから、法人の方が有利になるといわれています。
合同会社では、株式会社よりもずっと自由且つ迅速に出資者が組織内部のルールを決めたり、意思決定ができることから、合同会社の組織形態は今後益々普及することが予想されています。
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